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SAOGs

第20章 第31層~第40層 その2 "彼と彼女の一日"


その後二人は少年と共に街を進んだ
二人は少年が何処へ向かうか分からなかったが、少年に迷う様子が見られなかった

そのまま都合三人は街の中心からかなり離れた所まで行き着く
そうこうしている内に彼等の前に一つの建物が見えてきた

石造りなれど高くはない
唯一高い場所は小さな塔のようで、後は同じ高さに留まっている
その見た目はまさに教会だった

ここに辿り着いたという事は、ここが少年の居場所なのだろうか
不思議な場所にいるものだと思いつつ少年についていく
礼拝堂のような小さな塔付きの建物の脇を通り隣の建物へ

少年はそこにある扉を二度ノック
中から「は~い」という声が聞こえ、程無くして扉が開いた
現れたのは女性、シスター服風の装いと眼鏡が目立つ柔和な雰囲気を持つ人物であった
彼女と二人が会うのは初めてである
故に一瞬だけ、互いにどちら様状態であったが、シスターがユウとミヤコの間にいる少年に気付きその表情が一気に変わった

「イザーク!?貴方今まで何処に―」

そう言うシスターを無視してイザークと呼ばれた少年は中へさっさと入ってしまった
残されたのはシスターと本来は無関係な筈のユウとミヤコ

「えっと…貴方達があの子、イザークを連れてきたって事で良いのかしら?」

「本当はちょっと違うんですけどね」

「まぁ、通りがかりに絡まれてるのを見付けただけなんで」

「そうだったの…ご免なさい。あの子、気難しい所があるから」

「いえいえ、気にしないで下さい。気難しいのはこっちにもいるんで」

「ねぇちょっと、それ誰の事言ってる訳?」

いつの間にか漫才の雰囲気になりつつある中、シスターが軽く笑った所で二人は止まった

「お礼と言ってはなんだけど、中でお茶でもどうかしら?どういう理由であれ、ここに来たのには縁があると思うの」

二人に別段断る理由は無い
故に二人は、シスターの申し出を受け建物の中へ入っていった
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