第20章 第31層~第40層 その2 "彼と彼女の一日"
三十三層に到着してすぐ、私達を含めた全てのプレイヤーに衝撃が走った
三十三層のボスが倒されたのである
どのプレイヤーも挑む前に「聖槍十三騎士団」というギルドが倒してしまったらしい
この一団彗星の如く現れたが故、ネリーの情報網にも全くかかっておらず、逆に何時設立されたのか疑問に感じられるくらいであった
余りに唐突、余りに急激なものではあった
しかし、やった事はボスの撃退
クリアへの一歩を支援してくれたと言っていい
具体的に姿を見ていないとは言え、今はまだ好意的に捉えて良いのではないかと考えていた
故に私達も今はあやかって良いだろうという考えに至り、休息と拠点の為の資金集めに集中する事にした
フィールドに出ない休息日
相変わらず私は何をしようか困ってしまって何も出来ていない
部長とシンジ先輩は良さそうな拠点の確認
ケンタは釣りへ、エリーは…何処かへフラフラと行ってしまった
後はユウとミヤ
普段は宿部屋にある炊事場でミヤが調理スキルの特訓をしているが今はいない
何処に行ったものか
退屈を肴に出来る筈もないが、それで徒然に過ごすしかなかったのである