第17章 第21層~第30層 その4 "Combination?"
剣の長さと重さ、振るう身体の大きさ―そういう要素を孕みながら互角の鍔迫り合いが僅かに続いたが、先に崩れたのは―敵だった
後ろから同じだけの巨体―もう一体のボスが派手にぶつかったのである
「ハハハハハ、クハ、ヒハハハハハ!!どうしたどうした!?デブいのは、耐久があるって事じゃねぇのかよォ!!」
仰向けに倒れ込んだ"女帝"
花瓶のような巨駆の腹は、まさに陶器の如く砕けていた
それにも構わずトンファー男は敵―いや、奴にしてみれば餌―を構わず殴り続けている
突如背中に衝撃を受け、膝から崩れる"皇帝"
当然鍔迫り合いも均衡を崩す
こちらへ迫る敵の巨体―だが、退くつもりはない
逆にブーストをかけた掌底を叩き込み、敵を上空へ浮かす
そのまま私も跳躍―敵よりも素早く、敵の頭上に到達
そして振り上げた踵を、ブーストの入った脚力と重力に任せて思いっきり振り下ろした
上空へ来たのよりも速いスピードで、敵は落下する
その先にトンファー男がいるが気にする必要はない
だが"皇帝"は地上に落着する前に瞬間移動―何事も無く地上に立っていた
それはトンファー男の後ろ―普通なら不意を突いた筈の一撃が繰り出される
「ハッ―」
だが奴は何事も無く敵の剣を左手のトンファーでガード―更には右手で剣を無理矢理掴んだのである
「そんなに、俺に、喰われてぇか!!」
奴はそのまま敵の剣を中心に"皇帝"を"女帝"の上に投げ飛ばした
しかもそれだけでは終わらない
「わざわざ!後ろからやるもんな!やってやるから安心しろよホレ!!ホレホレホレホレホレホレホレホレェ!!!」
敵が巨体にも関わらず、何度も何度もボス同士を打ち付ける
そのスピードは次第に上がっており、二体のボスはまさに虫の息であった