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SAOGs

第16章 第21層~第30層 その3 "Alien"


「があぁぁぁぁ!!」

そして彼女は有らん限りの力で逆襲する

目の前の相手は男―関係ない
服は破れ、はだけ、本来ならば隠れている筈の肌が露になっている―知った事ではない
今この瞬間に彼女が思う事は二つ―死にたくない、殺してやる―だけであった

手には二本の短剣
白刃を迷い無く目の前の男に突き刺す
始めに彼女の右手にある短剣を男の左胸へ、内側に刺す
彼からすれば唐突だったのだろう―信じられないというような呻きを上げるが、彼女には聞こえてはいない
疾く死ねと刃を押し込む

「お゙お゙ぉ゙ぉ゙ぉ゙!!」

彼女の殺意はまだ止まらない
もう片方、左手にある短剣を一切の容赦無く男の首へ突き刺した
この瞬間から、男の首から空気が漏れる
先程までと異なり、今度は男の方が抵抗する番であった
しかし、時既に遅し―彼は意識を失い、HPを失い、その身を砕け散らせてしまった

先程まで男だった結晶のようなものが舞う―その時漸く彼女は正気に戻った
ある種の美しさに包まれながら、彼女は自身のした行為が何であるかを理解する
理解してしまったが故に、恐怖した

「ク、ハハ…アハハハハ」

そんな状況を端から見ていた別の女が笑いだす
まるで最高のショーでも見たかのような笑いが、静寂に響いた

「良かったねぇ、これで晴れて同じ穴のムジナさ。そうだろう、ユリ?」

そしてもう一度静寂に笑いが響く
この真実を知るのは、この場に残った二人だけであった
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