第15章 第21層~第30層 その2 "Twin"
双子故の特性か、クリスも納得したようにリアナに続いて構えた
彼女達の脳内に何があったか、他者である私達は知る由もない
だが、こちらの反撃である事は見えていた
「行くよ、クリス」
「うん。一緒に行こう、リアナ」
そう言って二人は駆け出した―のだが、直後にクリスが急停止した
「皆さんもお手伝い、宜しくお願いします」
私達に向けて一礼し、「待って~」と言いながらクリスはもう一度駆け出した
「あぁ…うん、何か丸く収まりそうで良かったよ。そういう訳で俺達も、スタート!」
苦笑が少し表れた部長に合わせて私達も駆け出す
こうして、都合九名による反撃が始まった
私達が駆け出した時、リアナは片方の巨人から突き出された拳を跳躍で回避、逆に拳から腕を伝って巨人に肉薄していた
そのまま自身の持つ二本の剣で登った先―首元を斬りつける
もう一体の巨人がリアナの後ろから掴みかかるが、彼女はそれを読んでいたかのように落下し、逃れる
巨人達はお互いにぶつかる訳にはいかないとばかりに、動きをギリギリで止める
だが、次の瞬間最初に首を斬られた方の巨人の頭が急に動き、相方の頭とぶつかる
クリスが今の間に、巨人の後ろに回り跳躍―頭を殴ったのだ
互いの頭をぶつけた巨人達は、軽くふらつき、そのまま仰向けに倒れた
「さて、さっきのお返しとでもいこうか」
「オッケー、やっちゃおうじゃない!」
そこに続いたミヤとユウ
同時に跳躍―そのまま、上空から蹴りを放つ
だがこの瞬間、火の玉を出した方の巨人が相方を庇うように動く
始めの時と同じく、手に蹴りを止められてしまう
「同じ手のままな―」
「―訳ないでしょうが!!」
蹴りを受け止められた二人はその場で身体を捻って回転させる
徐々にそれは早さを増し、勢いを増し、巨人の手を削っていく
それだけで満足はしない
ミヤとユウを止めている巨人の脇から跳躍―巨人の顔目掛けて蹴りを撃ち込んだ