第15章 第21層~第30層 その2 "Twin"
二十四層―
アキネフを中心の街としたこの層は研究都市という印象であった
というのは問題ないのだが、私達が良い報酬のクエストをこなすには、現状一つ問題があった
それは、私の武器である
二十三層にて行ったクエストにて、それまで私が使っていた片手剣を敵に折られてしまった
スペアの剣は拠点買いの資金とする為、売り払ってしまった
では買えば良いじゃないか―当然店に足を運んだのだが……手に馴染まない
生きるか死ぬかが常に付きまとっている筈なのに贅沢な話、と自分でも思う
無理矢理身体に馴染ませれば良いかもしれないが、それも何となく嫌だった
「だったら、作ってもらうのはどうかな?」
そんな状況で部長はこのように言った
作ってもらう―つまり、所謂鍛冶が出来る者に作成を依頼するというものだ
これにはNPCに頼む場合と鍛冶スキルを持つプレイヤーに頼む場合の二種類がある
初めの間はNPCの力量が上まっていたのだが、最近ではプレイヤーの鍛冶スキルがNPCを越えだした―具体的には特殊効果が付いたり等々―という事、つまり人の方が上手くなっているというが原因で、プレイヤーに頼む例が増えている
NPCでも構わないのだが、失敗が少ない変わりに平均的な性能しか出ないという話である
ならば失敗のリスクを背負ってでも、オンリーワンの性能を欲するという訳だ
幸い素材の類いはある訳だし、折角だからプレイヤーに頼むという方を選ぶという事となった
しかし、何処がどうなのかが分からない
故に私はネリーと連絡を取った―何処かオススメはないかと
程無くして返ってきた文―そこには第十二層ある「Duologue」という名の店なら私でも行きやすいだろうと書かれていた
私でも行きやすい―どういう事かイマイチ分からなかったが、これを無駄にする訳にはいかない
早速私はエリーと共に十二層へ向かう事にした