第14章 第21層~第30層 その1 "Trap"
変な形だ―まるで失敗した杯を表したかのように一つの部位ら分岐した三本の突起が、空に浮かぶ玉を囲んでいる
その下には二本の足―その間のものは、何だろうか
丸…と言うには菱形に近いそれは、中央に光る玉のようなものを一つ付けている
今だ空中に浮かぶボスと対峙
どちらが動く、どう動く―そう考えていた瞬間、先に動いたのはボスだった
突然、空中にある玉から何かが飛び出した
即座に察知し、横飛び―転がるように体勢を立て直し、視線をボスに向ける
何が出て来た―その疑問の答えは目の前に広がっていた
玉から触手のような物が飛び出ている
その数、実に六本―そしてそれはしっかり六人のプレイヤーに刺さっていた
オリジナルセブンの面子ではない―が、嫌な予感した
そしてそれは呆気なく的中する
刺さった触手一本一本が胎動する
まるでボスにエネルギーを送っているようだ
いや、まさにその通り―そして触手が抜けた瞬間、エネルギーを抜き取られた六人のプレイヤー達は、呆気なく砕け散った
死んだ―まだ何も始まっていないのに…
目前に晒された「死」の光景に、背筋の寒気を止められない
当のボスは触手を玉に戻し、上下反転
更に玉を三本の突起―その元になっている部分に収納
そのまま地上へ降下した
現れるHPバー
記される名は"Golia"
恐怖を押さえつけ、自らを奮い立たせて、私達はもう一度、ボスと対峙した