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SAOGs

第12章 第11層~第20層 その4 "Search"


跳ねた?浮いた?
この際どっちでも良い
迫り来るボスに咄嗟に左足で後ろ蹴りを放つ

「んのおおぉぉぉぉ!!」

あわよくば当たれ
当たらなくとも―攻撃されなきゃ何でも良い
そう思って放った蹴りは、光を帯びる中心点に吸い込まれていった

硬い感触
しかし、ボスは戦慄いた
つまり―

(入った…?)

確証は無い、偶然かもしれない
だが、突破口になるかもしれない
身体を軽く捻って右腕で体重を支える
そのまま左足で撃ち込んだ位置にブーストをかけた右足で蹴りを放つ

強制的に距離を取る羽目となるボス
立て直すなら今しかない

「立てる?」

「当ったり前だ!」

二つ返事で答えるケンタ引っ張り、改めてボスへ向き直る

「二人共、大丈夫か?」

然程離れていない位置にいた部長とシンジ先輩が合流
肩で息をしているが、闘志は消えていない

「微妙に世話になったな。まぁ、お陰で命拾いした。感謝しとくぞ、リリィ」

珍しいシンジ先輩の感謝に私は「いえ…」としか返せなかった
周りにいたユウ、ミヤ、エリーが合流する中、私の中に一つ、駆け巡るものがあったからだ

(ちょっと…分かったかも…)

走っている間に、手を伸ばしている間に…掴んだ

それは私の願い―その形の表し方

死にたくない、死ぬのを見たくないという願いの私が出来る事
死にたくないから、死ぬのも見たくないから―それを撃ち壊す為に誰よりも、何者よりも速く駆け抜けて、敵を払い、共に戦う人々という仲間に手を伸ばす

届け届け届けと―

それはまだ、闘いの中のものでしかない
殺伐とした、血にまみれた願いかもしれない

それでも私の出来る事―私の力の、大きな一歩だ

「かかって来なよ…相手したげるからさぁ!!」

頭の中を、身体中を、心の奥底から駆け巡る血潮の熱さに、少しだけ身を任せよう
ボスへ語りながら、更に燃えたぎっているのを確かに感じていた
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