第12章 第11層~第20層 その4 "Search"
「うおおぉぉぉい!!マジかよぉ!!」
徐々に加速しながら転がるボス
驚愕の叫びを上げるケンタの声を聞きながら、右へ横飛びし回避
ボスは私達の後ろにあった壁に激突して停止した
直後、ガーディアンが出現
先程よりも少ないが…何だ?
(顔が…違う…?)
それまで砲口としての意味合いもあったガーディアンの顔
何となくそれが…大きい?
そう思った時、ガーディアンが弾丸を発射―今までとは違って上へ撃たれたそれは、放物線を描きながら着弾し―爆発した
「―っ!!」
腕で顔を覆い、爆風から身を守る
最後になって取り巻きも面倒になったと思わざるを得ない
「なら触手をさっさと斬る!ケン、リリィ付いてこい!!」
シンジ先輩の声に私とケンタが付いていく
触手を斬れば、何はともあれ敵は機能停止する
そうなれば後は楽だ
そう思って走った直後―私の視界、その左端に異様な光が見えた
ガーディアンの弾丸―気付いた時には既に全て遅かった
何処からなんて思う間もなく、私の真横で爆発し、炸裂し、熱と急激で膨大なベクトルが私を―ケンタを、シンジ先輩を吹き飛ばす
壁までは行かなかったものの、地面を転がる
すぐに止まったが、左半身の上から下まで焼けつくような痛みが広がる
現実なら焼け爛れたとか、そういう感じか―いや、身体がバラバラにならなかっただけマシだろうなんて思いながら顔を上げる
シンジ先輩とケンタ―二人を視界に捉える
倒れたままだが二人共ちゃんといる、という事は生きてる
合流して、安全を確保しないと…
剣を支えにしながら立とうとした私の身体に低音が響く
身体の芯から震わせてくるような低音
視界を動かした先、ボスがまたもや動き出していた―それも、よりにもよって倒れた二人の方へ