第12章 第11層~第20層 その4 "Search"
滑りを帯びて触手が素早く首を絞める
一瞬で空気の通りが止まり、身体が酸素を求めだす
敵は関係ないとばかりに首を中心に私の身体を持ち上げる
勢いが付き、余計に浮いた私の身体は天井に打たれる
飛んでいく意識、首にかかる衝撃
それがもう一度、床に叩きつけられて私を襲う
衝撃のお陰か身体は言う事を聞かず、なすがまま壁にまた叩かれ―投げられた
回転し、無造作に空を舞う
まだ生きてる―だが、先の攻撃からまだ身体を動かせない
このまま地面に叩き付けられるか―そう感じた私に与えられたのは、地面でも壁でもない
人の感覚だった
飛んだ意識が元に戻り、最初に眼前に見えたもの―部長であった
空中で抱き抱えられ―キャッチされていた
顔が…凄く近く感じられる
何となく―何となく激しい動悸を感じるが、直後に着地の衝撃に身体が揺れた
「動けるな!?」
「あ…は、はい!!」
部長から飛び退くように立つ
今の動悸は―と気になる自分もいたが、振り払って頭を目の前の状況に引き戻す
邪魔な触手は今だ三本全てが健在
ボス本体にも思うようにダメージを与えられていない
どうやって…打開する?