第12章 第11層～第20層 その4 "Search"

十七層―
中心となる街､アリノスは温泉街であった
立ち上がる湯煙と時たま鼻につく硫黄の臭い
宿屋も充実しており､今まで休んでいたのをここでやれば良かったのでは…と思わざるを得ない

しかしフィールドは一転して火山である
火山"地帯"ではなく､火山そのもの―つまり､火山内部を探索する事となる
暑いとか熱いとかそんな言葉が意味を成さなくなる程に､灼熱

岩肌の隣を河川の如くマグマが流れ､草木の類はまず見えない

今まで散々暑いフィールドは歩いた気がするが､こういうのは全く経験していない
地面や壁､何もかもに熱が走り､私達の気力と集中力を無意識に削っていく



いるだけで脱水になりそうな火山内部を進むと開けた場所に出る
石で出来た建造物に囲まれた広場
ここからがこの層の本番である

この辺りから敵が増え出すのだが､その敵が問題である
動物のように存在しているものは､それ程問題ではないのだが､機械のような敵―二本足の"ガーディアン"と名付けられた敵
これが厄介であった

素早く動くそれのメイン攻撃は射撃である
しかも矢の類ではなく､何らかの弾丸
よって近距離武装をメインに取り揃えている多くのプレイヤーが敵を攻撃距離へ入れる事を困難とし､弓矢や武器の投擲で倒す事が多くなっていた

私達の中ではエリーが対ガーディアンを担い､戦闘をこなし､実戦の感覚を更に研ぎ澄ましていく日々が続いていった