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SAOGs

第11章 第11層~第20層 その3 "事案"


「そこでだ、俺はこう決めた。最後の時までは我慢だとな…この世界が終わるちょいと前くらいまで軽く力を見るくらいで抑えといて、最後の時になったら全力で喰う。それなら一番面白いのが、一番面白いタイミングで来る事になる。そうだろ?」

成る程、要は私はクリア前のメインディッシュ最有力候補という訳か
全く面倒臭い奴―と思わざるを得ない

「じゃあ次にだ、他の奴はどうする?別に喰っても構わないがよ、つまんねぇ奴をいくら喰ってもつまんねぇ。それなら放置して、より面白い奴を探した方が得だ。ついでに現状だけ言うなら、プレイヤー目当てで動くよりモンスター目当ての方が当たりが多い。だからプレイヤーは放置して構わない。殺すつもりも毛頭無い。勿論、最上の獲物はソイツだがな」

そう言いながらトンファー男は私に視線を向けてくる
長々と語っていたがこの男、命を奪う事にはほとんど言及していない―それ程抵抗が無いのか
嫌な事だが、私が生きている事が彼のストッパーになっている

「以上の事から、その白いのには残しておく価値があり…」

言いながら、私に向かって指をさしてくる
全く不愉快―人に向かってやるなと教わらなかったのか
そんな意味合いを込めた私の歯軋りを無視して彼は続け―

「この野郎はつまらない」

―唐突にトンファーでウェンドロの剣の腹を撲り、ウェンドロを吹き飛ばした

吹き飛ばされたウェンドロは回転しながら地面で一回跳ね、壁にぶつかって止まった

「俺は俺の方針上、俺の獲物だと認定した奴しか喰うつもりはないが、喰うのは今じゃない。よって俺じゃない、分かったか?」

いいや分からない―前提の部分からもう一度考え直してこいという程分からない
だが、この男にそういう文句は無意味なのだろう

そんな事を思っていると、壁にぶつかったウェンドロがゆらりと立ち上がった
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