第10章 第11層～第20層 その2 "Duet"

その後､二体となったボスに幾度となく挑むが､結果には至らなかった

それぞれの武器の違い､基礎ステータスの違いから生まれるダメージ量の違いと微妙にタイミングが合わない事から挑んだ数だけ失敗
その度に二体のボスは｢やり直し｣と言うが如く復活し､プレイヤー達には疲労の色が見えていた

そんな現状を彼―ユウは戦いながら冷静に考えを巡らせていた

倒し方は分かる―だがどうやって?
それに対して彼は一つの答えを出していた
同じ武器でなくとも､双子でなくとも､基礎ステータスが違うとも倒せる方法
それは―

｢ねぇ｣

彼の考えを知ってか知らずか､ミヤコは彼に話しかける

｢アレ…倒せるかも…｣

彼女の言に､ユウは彼女が自分と同じ考えに至ったと確信した
その程度､彼には造作もない
何故なら彼と彼女は共に居続けたからだ―どういう時にどういう考えをするか､理解出来ている

｢多分倒せるよ。僕と君が､力を合わせれば…ね｣

この言に､彼女も考えが自身と同じと確信―不敵な笑みが溢れる

｢ですよね～。なら､私達のコンビネーション…たっぷり見せ付けてやろうじゃないの!｣

そうして､彼と彼女は二体となったボスへ向く
その距離は少し遠く､二体の周りには多くのプレイヤー達が戦っていた