第9章 第11層~第20層 その1 "Original"
第十一層―中心の街をグランセルとしたこの層は、湖を臨む大きな城を中心とした石造りの大きな街で、広々としながらも穏やかなまちであった
また、街には多くの商業施設だけでなく、人と人が戦うデュエルを行える闘技場も存在しており、デュエルを行うというプレイヤーも増えだしたのである
しかし、とりあえず私達に限るとやる事は変わりなく、ボス部屋探しに勤しむ…筈だった
いや、暫くは勤しんでいたが、ある時部長がこう言ったのだ
「十層に戻って、俺達のギルドを作らないか?」
突然の提案に当然私達は驚くばかりであったが、まぁデメリットは余りない
部長に部費を払うかの如く、所持資金を納めるという点はあるものの、それ以外を考えると悪くはない気がする
そう感じる所には、アイテム譲渡云々とかそれ以上に、単なるパーティ組みとは違う独特の連帯感というものが大きい
故に私達は、特にこれといった反対もなく、十層へ向かう事になった
一度解放された層は自由に行き来可能、しかも転移という形を取る為、連続していない層にも行けるという優れものである
そんな訳で私達は第十層に再び足を踏み入れたのであった