第3章 --お仕事一日目
香「雛ちゃーん!」
『お香さーーーーーんっ!!!!!』
香「大丈夫だった?私、すっかりここがどこだったかなんて忘れ、て、て?」
『会いたかったですー!!』
香「白澤様、いつからいらっしゃったんですか?」
白「えぇ!?なんか冷たい!僕、雛ちゃんを守る騎士だったんだよ?」
『あ、はい。そうです!一緒にいてもらってました。』
ヘラッと笑うが、お香さんは余計に目を細めて、白澤様をにらんだ…。だめだ、通じない。これは、日頃の行いの悪さだよ、白澤様。
香「まぁ、いいわ。雛ちゃんが言うならね。」
『だいじょうーぶですっ!』
香「じゃぁ、話は通してきたから。まずは、着替えね!」
『え!?そんなすぐにですか!?』
香「善は急げっていうじゃないっ、ほらほら!」
『あ、じゃぁ、行きます!』
香「置いてっちゃうわよー?」
お香さんの隣を歩き、急ごうとして足を止めた。くるりと振り返り、白澤様のそばへ小走り。やっぱり、助けてもらってばかりは、あたしも気分良くないし…。
『白澤様。』
白「あ、どうしたの?雛ちゃん。」
『また、うさぎ漢方にも顔出しますね!』
白「雛ちゃん!!!」
『けど、あんまりここで見かけるなら、もう2度と行きませんよ。』
白「えぇ!!!」
『とりあえず、行ってきます!』
白「え!?い、言い逃げ!?」
白澤様に背を向けて、お香さんの隣へダッシュ。お仕事を取ってきてくれたんだ。お香さんに恥をかかせないように、何が何でも頑張らないと!!
白「行っちゃった…。着替えるって言ってなかった?………え、何の仕事するの!?」
白「ちょっと!僕、何も聞いてないよ!?雛ちゃーーーーーーーーーん!!!?」
お香さんとキャッキャウフフしながら、目的地へ急ぐ。
なんでも、もともとの呼び込みさんは、別の仕事が急に入ってしまったらしく、あたし一人でやることになったらしい…。
ちゃんとできるのか、不安だ……。
でも、がんばるぞ!うしっ!!