第3章 --お仕事一日目
『はあ~~~~~~。』
白「ちょっとちょっとー。可愛くお願いされたから一緒にいるのに、なんでそんな溜息つくの?」
『いや、人選を間違えたかなぁ、と。』
白「何言ってんの!僕以外に言っちゃだめだよ!!」
『えぇー…そのセリフ、白澤様が言います?』
白「なーにそれ?僕は嫉妬しないとでも思ってるの?」
『いやいや。もし、もしですよ!?やきもちを焼いたとしても、白澤様には相手を責める資格なんて100億分の1もないと思います…。』
白「何言ってんのー、僕、こう見えても一途だよ?」
『イチズッテコトバワカリマスカ。』
白「何そのしゃべり方!もー。ほんと可愛い!!」
『ちょ!なんで人の頭をくしゃくしゃにするんですかっ!』
白「そんなに可愛いこという、可愛い顔は他の人に見えちゃだめなの。」
『なんですかそれ…。』
白「もーちょっと大人になったらわかるよ。」
『あたし、全然子供じゃないですよ?』
白「僕から見れば、子供だよ。」
『それは、そうでしょうね。』
こんな意味のない会話、いつまで続けなきゃならないんだ…。可愛いなんて言われなれてないけど、白澤様の言葉は軽いから、今はまだ平静を装えてる。と思う。けど、こんなことがあと10分でも続けば、あたしはダッシュで逃げてしまう。この人、嫌いじゃないし、救われたけど、マイナスポイントが多いよ……。
白「ごめんね?」
『え?』
急に真面目なトーンになるから、こっちがビックリした。白澤様?口元は笑ってますが、目が…なんでだろう?とても、泣きそうな表情……。こんな白澤様は知らないよ…。
白「僕、やっぱり君のことが好きだ。」
『白澤、様…?』
白「忘れられたと思ってたけど…やっぱりダメみたい。」
『あの…?』
白「君を忘れられない。僕はまだこんなにも…。」
『どうゆう?』
白「僕は諦めないよ。今度こそ君を幸せにするのは僕だから。」
『え…』
真剣な眼差しの白澤様から、目をそらせなくて…そのまま綺麗な顔の白澤様が少しずつ近づいてくる。だめだと頭はガンガンと何かを知らせているが、この瞳を見てしまえば、他は何も考えられない……。
あぁ、こうやって落ちていくのか。
アタシダケジャナイダレモガ…。
あたしは。何を期待しているんだろう…。