第2章 --閻魔様と、これからのこと。
白「一緒に?」
『はい。私と一緒に。』
白「じゃあ、帰る。」
あたしの手を掴もうと白澤様が手を伸ばしてきた。やばい。これは、母性本能くすぐられるわ!なんだこの人!あ、人じゃなかったけど、まぁいいわ!!
きゅっと力を入れて手を握ってきたので、あたしも力を入れ握り返す。そして、2人で笑いあった。ほのぼのするなぁ、なんて思っていたら、その手をすごい勢いで払い落とされた。
手刀だ。どう考えても手刀。音はあんまりでなかったけど、地味に痛い。後から来るヤツだ、コレ。
『いったー。何するんでs』
白「・・・・・・」
手刀を打ったであろう鬼灯さまを怒ろうとしたが、白澤様の顔があまりにも泣きそうな感じがして、鬼灯様を探すのをやめた。
さっきの突然の衝撃のせいか、払い落とされたまま、自分の手を見てる。
『は、白澤様?』
白「どうして。」
『え?』
白「一緒って言ったのに、どうして放すの…。」
『ごめんなさい!放したつもりじゃないです!』
声が、悲しそうでついつい手を両手で包む。何この子。本当に可愛すぎる。
白「よかった。もう放さないでね。」
そう優しく笑うと、あたしの左手と自分の右手を恋人繋ぎにした。そして、
白「じゃあ、帰ろっか♪」
繋いだあたしの手の甲ちゅっとキスをした白澤様のお顔は、いつもの白澤様でした。
やられたーーーーーーーーーーーー!
『えぇー…騙されたーーーー。』
白「騙してないよ♪全部本心だから!」
鬼「いつまでそうしてるんです。」
『ぎやぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁ!!!』
白「え!?雛ちゃん!?」
鬼「早く放しなさい。」
『ちぎれるちぎれるちぎれるちぎれるってば!』
鬼灯様は、あたしの手の甲を思いっきりつねりました。
『爪!爪が食い込んでるんです!!』
白「お前!女の子に何てことしてんだよ!」
鬼「貴方が放せば済むことです。」
『白澤様!放して放して放してー!!!』
ぶんぶんと腕を振るが、鬼灯さまも白澤様も放してくれない。
『唐瓜~、茄子~、助けてぇ…』
話していた時にいた方向へ目を向けるが、2人とも親指を立ててめっちゃいい顔してる…。なんだよなんだよ!今度2人が困ってても助けないんだからな!……たぶんだけど。