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トリップ・トラップin地獄

第2章 --閻魔様と、これからのこと。


集合地獄付近、花街。


「どーするよ。」
「いやぁ、まいった。」


ガヤガヤしている人の後ろから、元凶へ足を進める。そうすると、すぐに見たことのある顔が…。


『もしかして、アレ?』
鬼「ぶっ殺してやりましょうか。」
唐「いやいや!だめですよ!周辺のお店の方から「くれぐれも気分を害さないように!」って強くお願いされてるんですから!」
『まぁ、この周辺のお店の方なら皆さんそう言うでしょうね…。』
茄「そう!雛、なんとか出来る?」
唐「バカ!雛は女の子なんだぞ!どうやって何とかするんだよ!」
茄「うーーーーーん。それもそうかぁ…。」
鬼「ところで、どうしてこうなったんですか?」
唐「確か、お酒飲んで、お店終わったのに帰らなくて、なんとか説得して外に出てもらって、ふらふら歩いて行ったからお店に戻ろうとしたら、白澤様がコケて、そのタイミングで神獣化。だったと思います。」
鬼「この、歩く粗大ゴミは、やはり始末か…」
『いやいやいや、何言ってるんですか!あたしに任せてください!』
鬼「あの害獣をどうするつもりです。」
『女であることを使うんですよ。ただ、あたしで効くかどうかですがね。』

目の前に広がる、白い絨毯。もとい、神獣化した白澤様のもとへスタスタと歩いていく雛。

ゴホンゴホン、と咳払いをし、出来る限りの女の子らしく優しい声で話しかける。


『白澤様、白澤様。』
白「・・・・・・」
『こんなところで寝ては風邪をひきます。私とベッドへ行きましょう?』
白「ピクッ」
『そのお姿では、一緒に寝ることはできませんね…残念です。』
白「ピクピクピクッ」
『一緒に帰りませんか?』
白「い…ょに…」
『はい、私と一緒に。』

そーっと、白澤様のお顔のあたりに手を伸ばす。もう少しで触れる。っと思った瞬間、みるみる人間の姿に戻っていく白澤様。そして、目をゴシゴシこすりながら起きあがる。

『白澤様、帰りましょうか。』

思わずにっこり笑いながら手を差し出してしまった…。なんだか子供みたいで、可愛く見えてしまって…お母さんの気持ちだ。…いや、親になった経験はないが。




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