第2章 --閻魔様と、これからのこと。
鬼「雛さん?」
『あ!はい!すいません!すぐに準備します!!』
昨日もらった服をいろいろ引っ張り出す。浴衣と同じ着付けだと聞いているが、あたしは帯をしめれない。現代の浴衣は、ほとんど付け帯だったし。うーん。どうするか。
鬼「着れますか?」
『え!?あ!…む、無理かもしれません…。』
鬼「昨日、教えてもらわなかったんですか?」
『教えてもらいましたが、覚えられなかったです…』
鬼「それでも女性ですか…。」
『お、帯だけ、結んでいただけますか?』
鬼「それ、いいんですか。」
ささっと、ピンクのグラデーションの浴衣のようなものを羽織る。これで、あとは帯か…。これのセットのやつはどれだったっけ…?
胸の下あたりをおさえ、帯を探す。
すると、
鬼「その柄なら、これがいいんじゃないですか?」
真っ赤な無地の帯を見せてくれる鬼灯さま。あたしには、どれがいいかなんてわかるはずもなく、
『あ、はい!じゃあ、お願いできますか!?』
鬼「では、前は自分で合わせて下さい。きつければ言ってください。」
『だいじょ、いたたたたた!ゆ、ゆるめて下さい!!』
鬼「貴女、少しはダイエットした方がいいんじゃないですか?」
『お、乙女にそんなこと言っちゃだめです!!』
鬼「乙女、ですか。」
『ほ、ほっといてください。』
鬼「はい、出来ましたよ。」
『ありがとうございます。』
うん。自分で背中は見えないけど、止まっているみたいだ。頑張って見ようとしたが、やっぱり見えない。記念に写メくらい撮っておきたいけど…誰かに頼もう。
鬼「さて、それでは行きますよ。」
『は~い!』
鬼「ご機嫌ですね。」
『いい事ありましたから!』
首をかしげた鬼灯さまを追い越し、ドアを開ける。
さぁ、これから、地獄での生活が始まります!
閻魔様、ビックリするかなぁ~~?