第8章 episode 7【ジル】〜嫉妬〜
「それは、プリンセスの体調管理も私の仕事だからです」
ジルは、当然といった様子で答えた。
「先ほど、ずいぶんとずぶ濡れでお帰りになっていらした様なので、このまま風邪など引かれてはいけませんからね」
ジルの視線がいつもよりも鋭い様な気がして、ルリーは徐々に顔が赤くなっていく。
そんなルリーの様子にジルは、更に言葉を続けた。
「プリンセスはアラン殿と随分仲がよろしい様ですが、もしやアラン殿を国王候補とお考えですか?」
とたんにルリーの顔がかぁ…っ、と真っ赤に染まる。