第7章 episode 6【アラン】〜衝動〜
二人はアランの提案から、少し先にある小高い丘まで馬を走らせることになった。
ルリーが上手に手綱を捌くと、馬は軽快に走り出し、それを見ながら満足そうにアランは、その後をついて行く。
身体全体に感じる初夏の風は心地良く、ルリーは久々の開放感を味わっていた。
少し曲がりくねった小道を抜けて丘の上まで辿り着くと、アランはルリーを馬から降ろし、馬を木に繋いでくれた。
「気持ちいい所だね」
「ああ」
二人で、う〜んと背伸びをして、爽やかな高原の空気を身体いっぱいに取り込んだ。