第7章 episode 6【アラン】〜衝動〜
「ねぇ、今日はなんで遠出しようなんて言ったの?」
ルリーは思っていた事を、正直にアランに尋ねてみた。
「……お前、セレモニーまで城の中カンヅメだっただろ」
「ま、たまには息抜きも必要だ」
アランは気恥ずかしかったのか、こちらは見ようとせず、少し遠くを見渡しながら答えた。
そんなアランの姿にルリーも少し頬を染めて“ありがとう”と微笑んだ。
暫らく丘の上で自由を満喫していた二人だったが、ふと、空を見上げると、いつの間にか雲行きが怪しく陰っていることに気が付いた。
「そろそろ帰るか」