第7章 episode 6【アラン】〜衝動〜
プリンセスお披露目のセレモニーもひと段落して、ルリーにも少しずつ余裕が出てきた頃……
ルリーはいつもの様に、午前中の乗馬のレッスンに来ていた。
乗馬の先生は騎士団長のアランが主に任されている。
「今日は少し遠出してみるか」
いつもはややスパルタ気味にレッスンをする厳しい先生のアランから、急にこんな提案が出された。
「大丈夫かな…」
ルリーが、いつもと違う雰囲気に少し緊張気味に答えると、
「俺がついてるだろ、心配なんてするな」
当たり前だ、と言わんばかりにアランにさらりと告げられ、ルリーはこくりと頷くと、馬に跨った。