第21章 episode 16-3【アランEND】〜守りしもの〜
「私……アランから騎士の誇り、奪えない」
それは、ルリーからの悲しい告白だった。
アランの事が好きだから、アランの事を諦める……
最初で最後のルリーからの本当の気持ち……
ルリーの目には涙が溢れていた。
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次の瞬間、ルリーはアランの胸の中にいた。
ルリーは訳が解らず、そのまま固まってしまった。
「あー、もう辞めた」
アランかぼそっ、と吐き捨てた。
「え?な、なにを?」
ルリーが慌て聞き返すと、アランは不敵に笑い、身体を屈めてルリーに優しいキスをした。
「んっ………」
突然の口づけに頭が真っ白になる。
ようやく離れると、アランが告げた。
「ルリー、俺はお前が好きだ」
「すげー好きだ」
ルリーは自分の顔が今までに無いくらい赤くなっているのがわかった。
「あんな悲しい事言わせて悪かったな」
段々と実感が湧いてきて、ルリーの目には涙が溜まっている。