第21章 episode 16-3【アランEND】〜守りしもの〜
その少し火照り、赤らんだままの素直な笑顔に、アランは堪らなく愛おしさが込み上げてきた。
今すぐにルリーを自分のものにしてしまいたい衝動に駆られる。
そんな自分の中の獣がアランは怖かった。
自分で護ると決めた人なのに、そんな事がどうでもよくなる位にルリーを求めてしまう。
立場などどうでもよくなる程に……。
「アランは、いつも私の事考えてくれてるよね」
不意にルリーが口を開いた。
「今だって、私が疲れてた事知ってて来てくれた」
アランはただ黙ってルリーの言葉を待った。
「……私はもう大丈夫だから」
アランはルリーが言いたい事がよく解らないまま、真っ直ぐ目を逸らさないでいた。
「私、もうアランの誇りを奪ったりしないから」