第21章 episode 16-3【アランEND】〜守りしもの〜
「俺に振り向かせるとか言っておいて、覚悟の一つも無ぇなんて騎士失格だ」
アランは静かに話を続ける。
「ルリー、俺は生涯騎士でありたいんだ」
「でもそれは、別に騎士の称号が欲しい訳じゃねー、俺は生涯お前だけの騎士であり続ければいいんだ」
「お前に言われるまで、んな事にも気づけないなんてな」
ルリーの頬を涙が止めどなくつたっていく。
「おい、そんなに泣くな……」
アランは苦しげに顔を歪ませて、ルリーを自分の胸に押し当てた。
「アラン……苦しいよっ」
「お前が泣き止むまで、こうしててやるから」
ルリーは本当に苦しくなり、アランの腕をバシバシ叩いた。
「いてーよ、お前」
ぷはっ、と息を吐いてルリーはアランの胸から解放された。
「本当に苦しかったんだもん」
そう言いつつ涙は止まり、代わりに心地よい幸福がルリーの心を満たしていった。
そして思わず、今度はルリーからアランに抱きついた。