第21章 episode 16-3【アランEND】〜守りしもの〜
舞踏会は滞りなく進行し、皆思い思いに楽しんでいるようだった。
ルリーは少し疲れを感じ、ゼノ様に断りを入れて人気の無いバルコニーへと来ていた。
(はぁ……少し疲れたな)
お酒も勧められるままに飲んでしまい、いつになく火照っていた。
「おい、大丈夫か」
不意に声を掛けられて、振り返るとアランが心配そうにこちらに歩いてきた。
「アラン……ありがとう、でも大丈夫だよ」
「お前、酒あまり強くねーんだから、勧められてももう止めとけよ」
アランにはなんでもお見通しなんだな、とルリーは少し嬉しい気持ちになった。
「私……ちゃんとプリンセス出来てたかな」
ルリーは気になっていた事をアランに聞いてみた。
「立派なウィスタリアのプリンセスだった」
アランは真っ直ぐにルリーを見つめ、そう答えた。
「よかった」
その答えを聞いてルリーは安堵して微笑んだ。