第16章 episode 14【シド】〜出会い〜
「へぇ……庶民上がりのプリンセスの割りには、たいしたもんだ。とても孤児院で先生やってたなんて思えねぇ」
「ルリー、お前を気に入った」
「私の事……知ってるの?」
ルリーは孤児院の話がシドの口から出た事に、とても驚いた。
「俺は、情報屋だ。ウィスタリアだろうが、シュタインだろうが、依頼があれば受けるのさ」
ルリーは、驚きを隠せずにシドを見つめた。
「情報屋……?」
「城にもちょくちょく顔出すからな。これからは、お前んとこにも顔出してやるよ」
「け、結構です」
「そんな態度も俺好みだ。女には別に不自由してねぇが、特別に俺の女にしてやるよ」
シドは、そう言い終わると同時に、ルリーの口唇を奪った。