第5章 王様と私[R18]
私が訝しげな顔で二人の情事を見つめていると、耐え切れないといった様子で高杉さんが笑い始めた。
「クッ…クク…やべェ、あいつら笑かしてくれるぜ…っ」
この人こんな一面もあるんだ。
爆笑とかするようなイメージじゃなかったけど。
って、そうじゃなくて。
『…坂本さんってストレートだったんじゃないんですか?』
私がグラスに口を付けながら問えば、高杉さんは笑いを含んだ声でこう答える。
「あァ…そりゃ俺が一服盛ったからよ」
したり顔の高杉さんが見せびらかしている錠剤は何処かで見たことがあった。
言うまでもなく、変態警察官の沖田が銀さんに飲ませていた媚薬だ。恐らくは坂本さんの酒に忍ばせておいたのだろう。
『…幾つ入れたんです?』
「一瓶」
『マジでか』
「ククッ」