第3章 SPARKIN’![R18]
「だァァ!もういい!そんなに俺の事が気に食わないなら出て行きやがれ‼︎」
『……っ』
喧嘩のボルテージが最高潮に達した時、ついにキレた銀さんはそんな事を言った。
その言いように慌てて子供達がフォローに入ったところを見ると、事態は中々深刻な状況のようだ。
「銀ちゃん!出てけなんてらしくないヨ!いくら何でも言い過ぎアル‼︎」
「そうですよ!元はと言えばあんたが貴女さんを此処に引き入れたんでしょ⁉︎」
「じゃあ俺が出てくか?そしたら誰がオメェら食わせてくっつーんだよ⁉︎」
普段はまるで本物の家族のように仲が良い三人が揉めている。
喉の奥が苦しい。
このままじゃ涙が抑えられない。
『…っ分かりました』
私は今にも零れ落ちそうな涙を堪えて声を絞り出した。直後、しんと静まり返った万事屋に定春の欠伸が響く。
『出て行きます…色々、すいませんでした』
最後の方はもう言葉にならなかった。
建て付けの悪い玄関のドアをピシャリと閉める。外の風は少し、雨の匂いがした。
第三章[SPARKIN'!]完