第9章 貴方と夢の国[R18]
かくして、プチQ名物“地獄迷宮”は銀さんの破壊行為により陥落。
私達はスタッフのおっさんから小一時間説教を食らい、げっそりとした面持ちでベンチに座っていた。
『ビビる坂田に改名したら?』
「……すんません」
『せっかくのデートなのに』
「埋め合わせします」
プイッとそっぽを向いて怒る私に銀さんはひたすら謝っている。
さてどんな風に埋め合わせしてもらおうか。そんな考えを巡らせていると、私の目にある物が映った。
『じゃあ、あれ乗りたい』
「え?」
『埋め合わせ…してくれるんでしょ?』
そう言って指差した先には、夕暮れを背に佇む観覧車があった。