第5章 ~弟~
「・・・もう・・・大丈夫打よ、兄さん・・・」
ー何が、大丈夫?
「・・・ずっと・・・傍に居るから・・・」
ー傍に、居る?
「・・・兄さんの傍に・・・ずっと居るから・・・」
ーオレの、傍に?
「・・・もう・・・離れないからね・・・」
ー離れない?
「・・・逃げないでよ・・・兄さん・・・」
「・・・・・・っ!!?」
其の時、己の身体に激痛が走った。
政宗は、激痛が走った場所に視線を向けた。
するとー
「ー・・・小次郎・・・離せ・・・っ、」
手首に、小次郎の爪が食い込んで居た。
政宗は、小次郎の手を振り払おうとしたが、激痛が走り、顔を歪ませた。