第6章 ひまわり
「…気付いていた」
「…え?」
「ペトラの気持ちは…わかっていた」
「…答えてあげたのですか?」
「いや
答えるべきではないと、判断していた」
「なんですかそれ…
そんなのって……だって!私たちの命は
こんなにも…っ‼
儚いものなのに…」
「………………」
「それくらいの幸せも…
私たちには与えられないのでしょうか⁉
それとも…兵長には…
心に決めた人がいるのですか?」
「……ああ」
そう言って兵長は
ペトラさんの顔に手をあてた
「……まさか、リヴァイ兵長……」
「…俺は
愛していた。こいつを…
だからこそ、答えるべきではないと…」
「…よくわかりません……」
「そうか…」
ヒグラシの鳴く夕暮れ
リヴァイ兵長の影が
悲しく
泣いているように見えた