第4章 あなたの世界に
ここはウォール・シーナ内の王都
貴族の住む街
そこに私はいた
・
家は貴族の中でもそこそこの階級にあり、1人娘の私は父に連れられ毎日毎日
社交パーティに顔を出す
目的は上流貴族との結婚
しょせん私など父にとっては道具でしかないのだ
「こんばんは。さん。
今日も一段とお美しい」
「…シャルエ様。またまたご冗談を…」
レイス・シャルエ
レイス家といえば貴族の中でも最上級の階級を持つ家だ
父からはレイス家の者とは特に親しくしなさいと言われている
「今日も僕と踊ってくれますか?」
「はい。喜んで…」ニコッ
何故か相手も私を気に入ってくれているのか
毎日ダンスに誘ってくる
私にとっては都合がいい…
父は機嫌を良くし、私にとやかく言ってこないから
私は…こんな男どうでもいい
むしろこんな家どうでもいい
上品な振る舞い
上品な言葉遣い
あの家はああだ
あの家はこうだ
…もう疲れた
どうして貴族なんかに生まれてしまったの?
つまらない
決まった人生
親の言いなり
…こんな風に考えてしまう私がおかしいのか?
わからない