第1章 初恋
「い、いやぁぁぁぁ!」
私は気が狂いそうだった
斬首されるのを、目の当たりにしてしまった
死体が、転がってる
血が、流れてる
グッたいとした死体が転がってる
それをへとも思ってない、謎の鎧の青年が、剣についた
血を拭き取っている
「信じられない・・・なによこれ・・なによ!」
「レイシ・・」
「いや、嫌よ!
どうして平然としてるの?!
おかしいわ、どうかしてるっ!」
「レイシ、落ち着いて・・」
「私はこんなこと嫌・・人が・・目の前で死んだ・・・あ、ぁぁぁあああ!!」
「レイシっ!!」
混乱する私を、セッちゃんが震える両手で抱きしめた
「混乱するのは、わかるわ。
けど、まずは深呼吸して。
そして、私の目をみて・・。」
「え・・・あ・・・」
「わかる?
私の事。」
「せっちゃん・・・」
その瞬間、私は気を失ってしまった
足元から崩れて倒れるレイシを、セシリアは抱えた
「・・・あなた、まさか・・」
「天族だろ?」
セシリアの前にでてきたアル
それに対し、鎧の青年は冷静だった
「見苦しいところをみせてしまったな。」
「まったくよ。
ここで闇族退治?」
「ああ、あれは、僕が追っていた獲物だ。」
「・・・名を名乗れよ、天族。」