第1章 ++ガラスの青い鳥++
「それよりお兄さんの方が、見ていて辛そう」
目の前の不思議な少女は、身構えた若き騎士の堅い表情をピッと指差して言う。
「籠の中で息を詰まらせているのは、あなたも同じじゃないの?」
まだ若いのに自分の限界を知ったつもりでいるのは、馬鹿馬鹿しいと思うわよ。
「瑠璃も玻璃も照らせば光ると言ってね、あなたにも輝ける時が必ずくる」
少女の言葉に、シャムロックは心臓を掴まれた気がした。
「〖あなた自身〗を認めて、理解してくれる人は必ず現れるよ」
「…本当に?」
「本当よ」
現に私はあなたを見つけたもの。
そう言ってふわりと微笑んだ少女。
木漏れ日に光る彼女の笑みがあまりに綺麗で、シャムロックは思わず息を飲み込んだ。そしてみるみる顔を赤くしていく。
「あ、ありがとう…そう言ってもらえると、何だか嬉しいよ」