第1章 ++ガラスの青い鳥++
「はは…っ、確かにそんな物騒な事はしないよな。世間知らずでごめんよ」
大きな体の割にやけに腰が低い騎士を、少女は呆れた面持ちで見つめた。
「これは玻璃よ。色んな形を模したガラス細工を作って売ってるの」
「全部キミが作ったのかい?凄いな」
無色透明の無色彩の物から、色彩の違う幅広い有色彩のガラス細工が所狭しと並んでいる。
「恋人に買ってあげたら?大抵の女の子は喜ぶよ」
細かくカットされた表面がキラキラと輝いて、なるほど、女子には受けるかも知れない。
「生憎だけど、私にはそんな人は居なくてね」
「嘘だ~、お兄さん結構格好いいのに?」
じゃあ何をそんな深刻そうに悩んでいるの?と、少女は騎士に問い掛ける。
「品物ひとつ買ってくれたら、私が話聴いてあげるよ」
「お金を取るのかい」
商売上手だなと、シャムロックは苦笑する。