第2章 始まり
「ねえねえ、秀真先輩まじ格好いいよね!」
そう言って隣で話しかけてくるのは
"井上 莉菜"
茶髪でウェーブされている髪を指で弄びながら窓越しに秀真先輩を見ている。
授業が怠かった私達は保健室で外の体育の授業を見ていた。
莉菜の視線の先には学校一モテる一個上の秀真先輩。
私は半ば興味無さそうに相槌をうつ。
すると秀真先輩がこっちを見ていた。
「きゃあっやばいって泪!私の事見てたよ!」
'私'と言い張る莉菜はかなり自意識過剰な性格だ、
私は良かったね、と笑顔で返した。
「秀真先輩みたいな彼氏欲しいなー。」
『彼氏、ねぇ。』
泪はあまり男に興味がない、だから男好きの莉菜の気持ちは分からなかった。