第7章 十人十色
私はしばらく待っていた。
すると青いジャージの集団がやってきた。
海常だ。
るり「あ。」
黄瀬「!るりっち…。」
黄瀬くんは気づいて立ち止まってくれた。
「なんだ?またファンの子か?」
黄瀬「違うっスよ!先に行っててください。」
「すぐ戻れよぉー」
そういって海常の人達は行ってしまった。
るり「あ…あのね…。」
黄瀬「負けちゃったっス!しかも、最後立てなくて…かっこ悪いっスよね。」
黄瀬くんはヘラっと笑いながら言った。
るり「…そんなことないよ!!」
黄瀬「え?」
るり「黄瀬くん、すごくカッコ良かった!それに、私、今まで見た黄瀬くんのプレイの中で一番好きだった!」
黄瀬「…。」
るり「勝つ事だけが全てじゃない。負けて得る物もたくさんある。負けを知らないと勝つ嬉しさすらわからない。だから次は…。」
黄瀬「ははは、なんかその言葉懐かしいっス。」
るり「へ?」
黄瀬「るりっちがいつも2軍や3軍の子たちが1軍にコテンパ負けた時にそう言ってたっスね。」
るり「…あ、ごめん。」
黄瀬「いや…。その言葉って正しいんだなって思うっス。」
るり「…。」
黄瀬「あぁー、もう我慢できないっスわ。」
そう言って黄瀬くんは私を強く抱きしめた。