第42章 僕達のバスケです。
会場に向かうと既に沢山の人が訪れていた。
はぁっと吐き出す息は白くて
本当に冬なんだという事を実感させられる。
控え室ではみんないつも通りだった。
私もせっせと一人で準備を進める。
木吉「ボブさん。ちょっといいかな?」
木吉先輩に呼び止められて私は足を止める。
るり「はい!」
手招きされるまま木吉先輩のあとについていく。
控え室から少し離れたベンチに木吉先輩は腰掛けた。
私も木吉先輩の隣に腰掛けた。
こうやって木吉先輩と二人っきりで話すのは
初めてだったりするかもしれない。
元々憧れの人だったし、
改めてこうやって二人で居るとなると
なんだかすごく緊張した。
そんな私の緊張を木吉先輩は察したのか
ケラケラと笑い出した。
木吉「そんな緊張するな!もう長い付き合いだろ?ほら、黒飴食べるか?」
るり「は、はい!」
私がそう返事をすると
木吉先輩は優しく笑って私に黒飴をくれた。
黒飴を口に含むと
口の中に甘ったるいのに苦い味が広がった。