第40章 理不尽な願い。
私は意を決して通話ボタンを押す。
父と話すのはもう一ヶ月ぶりになるのではないだろうか?
忙しさ故に家にはほとんど帰らない。
帰ってきても深夜に帰り、
早朝に出て行く。
必要な事以外は話さない。
そんな父親だった。
るり「…もしもし?」
父「もしもし?るりか?今どこに居る?」
るり「…友人の家に居ます。」
父「そうか。もう遅いだろ。すぐ家に帰れ。話がある。」
るり「…はい。」
私が返事をすると、
電話はすぐに切られた。
大きく溜息が出た。
一体何の話だろうか?
私はベランダから室内に戻ると、
みんなの元へと戻った。
黒子くんは決勝戦での話をしていた。
るり「あの、すいません。ちょっと親から呼び出されたので先に帰ります。」
日向「ん?お、おう。そうか!気をつけろよ!」
火神「明日もがんばろうな。」
るり「…はい。」
黒子「…。」
るり「黒子くん。また話し聞かせてね。…じゃぁ。失礼します。」
私は頭を下げると、
すぐにその場を後にした。