第38章 変化していく日常。
赤司「あっちの方向け。」
赤司くんは逆方向の壁の方を指差した。
るり「…?はい。」
私は言われるがまま、
赤司くんの方に背を向けて座った。
赤司「絶対こっち…向くなよ。」
赤司くんはそういうと、
私に後ろからもたれかかるように抱きついた。
るり「あ、あの!?///」
私は驚き振り向こうとしたが、
先程の言葉を思い出し、壁の方を見つめた。
赤司「…あー…あったけぇ。落ち着く…。」
赤司くんははぁっと溜息をついた。
その息が首筋にかかり、
少しだけびくっと体が反応してしまった。
赤司「…嫌か?」
耳元で赤司くんの声がする。
るり「い、いえ!い、嫌と、い、言うわけでは…」
緊張からか何からか思わず声がうわずってしまう。
赤司「じゃぁ、なんだよ。」
赤司くんは意地悪するように笑いながらそう聞いた。
るり「えっと…緊張…します!///」
私がそういうと、
赤司くんはクスっと笑った。
赤司「少しだけ…こうさせててくれ。」
るり「は、はい!」
それから暫くは無言のまま
その状態だった。
静かな室内には
進む時計の針の音と
お互いの速い走るような心臓の音だけが
響き渡っていた。