第37章 永遠の憧れ。
試合中のみんなの顔は
生き生きしててすごく楽しそうで…
中学の時見慣れていた
あの作業のような試合をこなす
憂鬱な顔の人は誰一人居なかった。
私はそれが嬉しくて
応援に熱が入った。
降旗「…神谷。そんな応援頑張ったらまた、声ガラガラになるぞ。」
降旗くんは苦笑いしながらこちらを見た。
るり「選手たちも全力なんだから、私も全力にならなきゃ!」
私は観客にも負けないぐらい
大きな声で応援した。
降旗「…はは。そうかもな。」
降旗くんも小さく笑い、声をより一層大きく出した。
が、
状況はあまり思わしくなかった。
海常の奇襲により、
完全に乱されたペース。
焦るあまり、攻撃のリズムが崩れている。
るり「ねぇ。降旗くん。」
降旗「誠凛ファー!!!!…ん?何?」
私に突然呼びかけられ降旗くんは目を丸くしてこちらを見た。
るり「音楽とかで、指揮とタイミングがズレてしまった時は降旗くんならどうする?」
降旗「…ん~。一度止まるかなんかして…合わせるかな…?」
るり「…そうだよね。」
私がそう言って笑うと、
降旗くんは首をかしげて、再び応援をはじめた。
私はリコ先輩の方を見た。
リコ先輩も私と目が合うと笑顔で頷いた。
そして、リコ先輩は高々と手を上げた。
"誠凛 メンバーチェンジです。"
そのアナウンスに全員がこちらに注目する。
リコ先輩が怪しげに笑う。