第35章 選ばれなかった色。
るり「同じかもしれないね。除け者同士!」
私がそう言って笑うと、
灰崎くんは少し笑った。
灰崎「でも、お前は仲間いんだろ。」
るり「…うん。」
私はゴールに向かってシュートを放った。
"ッゴン"
るり「あ…。」
シュートは見事にはずれた。
灰崎「っぷ!だっせぇ!…お手本見せてやるよ!」
灰崎くんはボールを拾いあげると
見事なシュートを見せてくれた。
るり「いや、今のは調子悪かっただけ!もっかい挑戦させて!」
灰崎「じゃぁ、俺からボール奪ってみろよ。」
るり「えぇ!?…わかった。」
それから私はしばらく灰崎くんと
バスケをした。
灰崎くんは手加減してくれているようだった。
…少しだけど、
楽しそうに笑ってくれて
なんだか嬉しかった。
"あの時"彼は
私に"助け"を求めていたのかもしれない。
本当はきっと
バスケが大好きで
帝光中バスケ部も大好きで
でも己のプライドの高さ故に
そうじゃないふりをし続けて…
結果、"大切なもの"を奪われてしまった事が
本当に本当に
悔しかったのかもしれない。
彼の事は良く知らない。
でも、そうなんじゃないかって…
私は思った。