第35章 選ばれなかった色。
私が会場に戻ると、
もうすぐ次の試合が始まろうとしていた。
火神「あ!神谷!こっちだ!」
私は火神くんに呼ばれ、
火神くんの横の席に座った。
るり「次は…黄瀬くんの所だよね…相手は…えーっと」
黒子「福田総合…灰崎くんの居る所です。」
その名前に少しはっとなった。
そういえば、まだバスケしてたんだ…。
るり「灰崎くんか…」
火神「なんだ、お前も知ってるのか?」
るり「ん~…ほぼ入れ違いだったけど…ちょっといろいろあって…。」
黒子「・・・。」
私はコートの中をじっと見つめた。
選手たちが入場し、整列する。
灰崎くんは…
…。
…。
…。
るり「ぶほっ!!!!!!」
思わず吹き出してしまった。
火神「っな!?何急に吹き出してんだよ!?」
るり「え?い、いや、だって、あの髪型は…ねぇ?」
ニヤニヤが止まらなかった。
黒子「…灰崎くんイメチェンしましたね。」
るり「高校生でコーンロウって…ふふ…ご、ごめん、笑いが…」
火神「神谷、笑いすぎだ。外国にはあんなのいっぱい居るぞ。」
るり「はぁ…でも灰崎くんか…」
私はなんだか昔のことを思い出してしまった。
彼が強制退部させられた頃の事を…。