第23章 季節外れの蝉
るり「にしても、元気だねぇこの蝉…ミンミン鳴いてるからみー子ちゃん!」
私は蝉にちょっぴり愛着がわき始めていた。
青峰「ばぁか!こいつはオスだよ!蝉はオスしか鳴かないんだよ!」
るり「え!?そうなの!?」
青峰「だからこいつは…セミオだな!」
るり「セミオって…ネーミングセンスなさすぎだよ!」
青峰「あ!?うっせぇよ!///」
青峰くんは少し恥ずかしくなったのか赤くなっていた。
るり「セミオー!早く仲間みつかるといいね!」
セミオはおなかが空いたのか虫かごの中の樹液ゼリーを食べていた。
しばらくすると公園にたどりついた。
さすがに蝉の鳴き声はどこからもしなかった。
るり「うーん…。いないのかな?」
青峰「メスは鳴かないからな。木ぃ一本一本確認していこうぜ。」
私達は手分けをして木を一本一本見て回った。
…ここにもいない。
この木にもいない…。
夏にはあんなにうざったいほど居たのに…。
広い公園の全ての木を見て回ったころには
すっかり夕方になっていた。
私と青峰くんはベンチに座った。