第17章 誠凛VS霧崎第一
~霧崎第一高校控え室~
私は結局花宮さんとの取引を受けた。
絶対に怪我をさせないと約束してくれた。
だから、私は信じて待つことにした。
部屋には見張りの部員を二人つけられた。
でも、別に監禁されているとか
そういう状況ではない。
花宮さんは
「好きに出て行ってもいい。見張りも止めない。でも、その時は仲間がどうなるか…」
そういってニヤっと笑っていた。
つまりここに居るのは"私の意志"という事になる。
ずる賢い。さすが悪童だ。
私はそんな事を考えながらただ、ただ祈るしかなかった。
見張りA「にしても、こういう状況って超興奮するよなぁ」
見張りB「確かに!他校の女子マネ拉致ってるとかさぁ!」
見張りA「そんで、襲っちゃったりとかぁ?」
見張りB「いいねぇ!そういうの!」
そんな話をしながら二人の見張りは盛り上がっていた。
そう。花宮真は二人の見張りにこう言って出て行った。
『大切な人質だから絶対に手を出すな。』
そうだ、仮に手を出してしまった時点で
それは悪になる。
手を出さずに"自分の意志"でこの控え室に滞在させることで意味をなす。
まぁ、私がいないくらいで…
崩れるみんなではないと思うんだけど…
そんなことを考えながら私はただうつむいていた。