第17章 誠凛VS霧崎第一
今日は霧崎第一との試合だ。
去年、霧崎第一との試合で木吉先輩は怪我をした。
正確に言えば怪我をさせられた。
霧崎第一のプレーはかなり荒い。
もちろん、わざとだ。
これまでの試合、霧崎第一と戦ったチームは必ず負傷者が出ている。
特に主力のエースなどはとことん潰されているようだった。
この試合、
誰もケガをしなければいいが…
そして…絶対勝って欲しい。
そんなことを考えながら私は
雑務をこなすために廊下を走り回っていた。
「あれぇ?誠凛のマネージャーさん?」
ふと、後ろから呼び止められて私は止まった。
振り返るとそこには…
るり「花宮…真…!」
花宮「あれー?呼び捨てぇ?俺一応先輩なんだけどぉ」
ヘラヘラ笑いながら花宮さんは私に近づいてきた。
るり「去年の事聞きました。最低ですね。」
私は強く花宮さんを睨みつけた。
花宮「えぇ?何の事かなぁ?俺はなぁんにもしてないぜ?」
花宮さんは相変わらずニヤニヤと笑っていた。
るり「…っ!とりあえず、今日は絶対負けませんから!」
そう言って私は再び花宮さんに背を向けた。
花宮「ねぇ、誠凛のマネージャーさん。取引しない?」
るり「…取引?」
私は足を止めた。
花宮「そう。俺たちは絶対誠凛のメンバーに怪我をさせない。そのかわり、試合の間ずっと、君はうちの控え室に居てよ。」
るり「・・・は?どういう事ですか?」