第17章 受験勉強
いつの間にか外は夕焼け色に染まりはじめ、カァーカァーとカラスの鳴き声が聞こえる。
もう夕方か……
そんな何時も通りのことを考えながらボーッとしていた。
すると…
蔵馬「時音」
「へ?」
いきなり蔵馬に呼ばれ、間抜けな声を出してしまった私。
そんなことはさておき…
なっ、何?
なんか蔵馬が異様にニコニコしながら私のことを見てくる。
「……何よ」
蔵馬「いや、いつの間にか追い付かれたな~と思ってね」
「は?」
蔵馬「数学。時音苦手な方だったろう?」
「うん…まぁ…」
嫌いなのに変わりないけど。
蔵馬「いつもオレが教えてたのにね。時音の頭も成長したよ」
「…………それさ、褒めてるの?それとも貶してるの?」
蔵馬「どっちもだね」
「なっ!!」
なっ、なんですってこの狐!!!!
「そっそれは何?要するに賢いけど馬鹿だと言いたいわけ?」
蔵馬「なんだ、ちゃんと解ってるじゃないか」
「…………」
蔵馬「それまで解らなかったらどうしようかと思ったよ」
……この。……この…。
「バカ秀一!!!!」
バシッ!!
と、私のはたきが秀一に命中した。
この狐はどこまで私を馬鹿にしたいの!!
蔵馬「叩かなくてもいいのに」
「うるさいうるさい!!大体秀一は、そうやっていつもいつも私のことをっ!」
いつもの様に、いつも通りの言い合いが始まる。