第14章 公認
「ただいま」
家に着き、玄関の戸を開け中に入る。
すると奥の方からお母様が慌ただしくやってきた。
桜音「時音!!大丈夫でした?」
「はい」
桜音「そうですか、よかった…」
ホッと胸を撫で下ろすお母様。
「心配掛けてごめんなさい…」
桜音「大丈夫ですよ、蔵馬もいてくれたみたいですし」
蔵馬「いえ…。結局時音を傷つけてしまったんですから、大したことはしてません…」
「…蔵馬」
やっぱり私が怪我したこと、気に掛けてくれたんだ…。
ゴメンね…蔵馬。
桜音「……蔵馬、本当に大したことしてないと思っているのですか?」
蔵馬「…どういうことですか」
桜音「帰ってきたあなたたちの顔を見たときね、とても優しい顔をしていたの。
二人揃ってですよ。あなたたちがすれ違い続けてきた事は、今日でお仕舞いという意味なのでしょう?
つまり、あなたたちの想いはやっと一つになったと…解釈していいですね」
「お…お母様!!////」
蔵馬「クス、桜音さんの言う通りです。オレたち、また付き合うことになりました」
桜音「フフ、やっぱり」
嬉しそうに笑うお母様。
そうだよね…お母様には蔵馬とのことで、いっぱい迷惑をかけた。いっぱい心配かけた。
やっと私たちが恋人になれたんだもん…嬉しいよね。
心配かけてごめんなさい…
迷惑かけてごめんなさい…
いつも見守ってくれて、ありがとうございます。
「お母様っ」
桜音「時音。これからも苦しいこと、辛いこと、沢山あると思います。
ですが挫けず、蔵馬と二人で頼って頼り合って生きていくのですよ」
「っ……は、い」
お母様の言葉に目元が熱くなっていく。
それは、決して悲しいものではなく…
嬉し涙というものだった。